特殊高所技術=ロープアクセス(Rope Access)ではありません。
特殊高所技術=ロープアクセス(Rope Access)だと思われている方によくお会いします。
ロープアクセス(Rope Access)という語に定義は無く、日本国内においては法的規定も存在しません。
ロープアクセス(Rope Access)を活用している企業はたくさんありますが、統一された基準は存在しません。
ロープアクセス(Rope Access)という語は、ロープにぶら下がって目的地に移動する行為をイメージさせやすいため、安易に使われてしまっているのです。
ロープアクセス(Rope Access)というと、一般的にはビルメンテナンスに活用されている方法であると認知されつつありますが、残念なことに、ビルメンテナンス業界においてはロープアクセス(Rope Access)作業中の墜落死亡事故が、毎年平均して2件以上起こっています。
ゆえに、ロープアクセス(Rope Access)=「危険な技術」という認識が広まっているように思います。
ロープにぶら下がっている「見た目」はロープを用いている時の「特殊高所技術」と酷似している事でしょう。
では、「特殊高所技術」が、見た目は似ているロープアクセス(Rope Access)と何が違うのか?
それは、安全性です。
特殊高所技術は、国土交通省の、新技術情報提供システム(NETIS)に、登録されており、吊り足場よりも安全性が向上する技術であると評価されています。
また、公共工事において、活用の促進を図るべき有用な技術であるとの位置付けにあります。
NETIS(ネティス)は、新技術が登録される仕組みですが、ロープでぶら下がって何かをすること自体は、目新し事ではありません。
特殊高所技術のどこに新規性があるのか? それが、【安全】です。
特殊高所技術によって、安全にロープにぶら下がることが可能になったのです。
ロープアクセス(Rope Access)と同じ意味で、ロープワークという言葉を使われる方もおられるようですが、ロープワークというのは、ロープの結び方や取扱いを指しますので、ロープアクセス(Rope Access)と同じ意味で用いるのは間違いです。