フルボディハーネスの間違った使い方最近建築や土木の現場でも、フルボディータイプのハーネスが使用されているのを多く目にするようになりました。同時に大手ゼネコンや電力会社等の業務でも、安全帯の2丁掛けが標準になりつつ あるようです。

今まで安全帯を使う必要がある場所で掛け替えを行う際にどのようにしていたかというと、キーロック式などというシステムを採用していることは一部の業界にしか見られず、3点支持(片手両足の3点で確保)をして安全帯を掛け替えていた訳です。

特殊高所技術的に言うと、それでは何も確保されていない状態が発生することになるからNGな訳ですが、これまでの業界ではあまり意識されていなかったのが現状です。

最近何かと話題の風力発電業界においては、外資系のメーカーも多いせいか、メンテナンス技術者はほとんどフルボディータイプを使用しているようです。(個人の感覚的なモノですが・・・)

ただ、間違った使用方法も良く見かけます。
最近良く目にするのが、レストレイン用のアタッチメントポイントにY字ランヤード(2丁掛けランヤード)が接続されている例です。

フルボディハーネスの間違った使い方
このはハーネスはペツル(PETZL)製のハーネスですが、赤丸で囲っているのがレストレイン用のアタッチメントポイント です。
ちょうど腰の後ろあたりにあります。本来の使い方は、歩き回れる場所で墜落の危険がある範囲に近づくことが出来ないよう、長さの調節出来るランヤードを接続して使うところです。使用目的と状況がヒモでつながれて散歩している犬のようなので、イヌヒモアタッチメントなんて呼んだりしてますが・・・

フルボディハーネスの間違った使い方
こちらはシンギングロック(singing rock)のハーネスですが、同様にレストレイン用のアタッチメントポイントがあります。このアタッチメントポイントにランヤードが接続されているケースを非常に良く目にします。仮にこのアタッチメントポイントにランヤードが接続されている状態で墜落したとすると・・・

内臓に相当のダメージをくらうことは必至でしょう。

ランヤードは胸部か背部の専用のアタッチメントポイントに接続しましょう。